パイプカット後の再建方法とは

パイプカットをしたらもう二度と妊娠させることができないわけではありません。その後で再婚などの理由で思い直して子供が欲しいと感じたときには、再建手術をすることで元の状態に近づけることが可能です。

パイプカット後の再建方法は、顕微鏡下精管吻合術を行います。この手術では、精管が閉塞している部分を手術用顕微鏡を使用して再吻合を行い精管を再通します。メリットとして、術中あるいは術後にほとんどの場合で再び精子の出現がみられるため、パイプカット後の再建方法によく選択されている手術です。ただし、この方法では術後に精子がでない場合も中にはありますので、精巣内精子採取術と呼ばれる別の手術を同時に行っている病院もあります。

ポイントとして、この方法で精子が出現するまでの期間は術後6か月までが目安です。それから全身麻酔を使って手術するため、この方法を利用できる病院が限られていることも留意しましょう。手術の際には、数日の入院をして行うところが多いです。

パイプカットした後の不妊治療の方法とは

パイプカット後の不妊治療では、パイプカットをしていない人で通常通り妊娠させた場合とパイプカットをしてから再建した人とで比較するとほぼ妊娠できる確率の差が変わらないことが分かっています。

自然妊娠ができる確率は、パイプカットをした人で全国を平均すると27.5%というデータがあります。この数字は、2000年と比較してもあまり変わっていません。ですので、安定的な成績を維持しているといえます。

順調であれば、術後数ヶ月後に自然妊娠したという報告も多数あります。また、数ヶ月が経過して自然妊娠ができなかったという人でもあきらめてしまう必要はありません。ある程度精子が出現したことが確認される場合には、精巣内精子採取術で精子を取り出したあとにコストがそこまで多くかからない人工授精を利用することで妊娠できる場合も多くあります。ですので、不妊治療を行いたい人でパイプカットを過去にしたことがあるからといって諦めてしまう必要はないです。

まとめ

パイプカットしてから再建する場合には、顕微鏡下精管吻合術という手術を選ぶか精巣内精子採取術を選んでから人工授精をする方法が一般的です。多くの場合は、顕微鏡下精管吻合術が選択されます。この手術を受けるとそのほとんどのケースで精子が出現します。

ただ中には精子がでないことありますが、その場合でも精巣内精子採取術を受けることで妊娠が期待できます。退院したら、その翌日から通常の仕事はできます。まずは、男性不妊外来を受診して医師と相談してみると良いでしょう。